マンガ制作において、絵を描くのと同じくらい時間がかかるのが「写植(テキスト入力)」の作業。1ページずつテキストツールでセリフを打ち込み、フォントを調整し……という作業を何十ページも繰り返すのは、非常に骨が折れますよね。
そんな悩みを一気に解決してくれるのが、CLIP STUDIO PAINT EX(クリスタEX)に搭載されている「ストーリーエディター」です。
この記事では、ストーリーエディターの基本的な使い方や注意点、さらにスマホブラウザで手軽に使えるネーム作成ツール「マンガネーム作成ツール」を活用して、一瞬でセリフを流し込む裏技まで詳しくご紹介します。
ストーリーエディターとは? #
ストーリーエディターは、作品全体のセリフを一つのウィンドウで一括管理できる機能です。通常、クリスタでテキストを入力するには各ページを開く必要がありますが、ストーリーエディターを使えばキャンバスを開かずに全ページの文字編集が可能になります。
ストーリーエディターを使う主なメリット #
- 全ページのセリフを一覧で見渡せる:誤字脱字のチェックや、ストーリーの前後関係の確認が非常にスムーズです。
- 一括検索・置換ができる:人名の漢字を間違えていた!という時も、全ページ分をワンクリックで修正できます。
- フォント設定を一括適用できる:特定のキャラクターのセリフだけ、後からフォントサイズを変更するといった作業も一瞬です。
ストーリーエディターの基本的な使い方 #
まずは、基本的な操作手順をおさらいしておきましょう。
ストーリーエディターを開く #
上部メニューの [ページ管理] → [テキスト編集] → [ストーリーエディターを開く] を選択します。すると、各ページのセリフが並んだ専用の編集画面が立ち上がります。
セリフの分割と追加 #
エディター内で文字を入力する際、以下のショートカットを覚えておくと便利です。
- Enterキーを1回:同じセリフ内での改行
- Enterキーを2回(またはShift+Enter):別のセリフとして新しくテキストエリアを作成
フォントの一括変更 #
- 変更したいテキストエリアを、Shiftキーを押しながら複数選択します。
- [ツールプロパティ] パレットで、希望のフォントやサイズを設定します。
- エディター上で右クリックし、[テキストにツールプロパティを適用] を選択します。
使用前に必ずチェック! #
非常に便利な機能ですが、いくつか注意すべきポイントがあります。
- ヒストリー(取り消し履歴)がリセットされる
ストーリーエディターを開くと、キャンバス上で行っていたこれまでの操作履歴(元に戻す)が削除されます。大きな描き込みの直後などは、一度保存してからエディターを開くようにしましょう。 - 配置場所は左上固定
エディターで新しく追加したセリフは、キャンバスの左上に重なって配置されます。最終的なフキダシの位置調整は、各キャンバス上で行う必要があります。
時短の極意!「マンガネーム作成ツール」からセリフを一括流し込みする方法 #
ここからが本題です。ストーリーエディターの真価は、「外部で作ったテキストデータを一括で貼り付けられること」にあります。
ネームをアナログやクリスタ以外のアプリで行うと、ネームで書いたセリフを入力して…と同じセリフを何度も書くという手間が発生します。
「そんなめんどくさいことしないで、ネームのセリフをそのまま流用して、一度で終わらせたい!」
それを叶えるのが、スマホブラウザで使えるネーム作成ツール「マンガネーム作成ツール」です。
「マンガネーム作成ツール」のセリフ書き出し機能が優秀な理由 #
マンガネーム作成ツールには、編集中のプロジェクトからセリフテキストのみを抽出する「セリフの書き出し」ボタンがあります。この機能がクリスタユーザーにとって非常に画期的なのは、以下の理由からです。
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クリスタの仕様に完全準拠
書き出されたtxtファイルは、「セリフ同士の間が1行空いている」という形式になっています。これにより、コピーしてストーリーエディターに貼り付けるだけで、自動的に適切なセリフ単位に分割されます。 -
スマホで場所を選ばずネーム作成
マンガネーム作成ツールはブラウザ上で動作するため、電車の中や外出先、家で寝転びながらでも、スマホを使ってネームを作成できます。ネームを画像形式で書き出しできるのはもちろんですが、ネーム内に打ち込んだセリフを書き出すことも可能。帰宅してPCやタブレットでクリスタを開き、書き出されたテキストを貼り付けるだけで、写植の8割が完了します。
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改行データの保持
セリフ内の改行はそのまま反映されます。 -
書き出しから除外も可能
——「このセリフは手書きにしたい」
——「これはセリフではなく、画面上にメモしておいただけなんだけど…」そんなときには、セリフ書き出しから除外の設定をしておけば大丈夫。セリフをダブルタップして表示される編集画面の下部にある「セリフ書き出しに含める」のボタンをオフにしておいてください。そのテキストはセリフ書き出しからは除外され、txtデータに反映されません。
※ 「セリフ書き出しに含める」をオフにしたセリフも、PNG画像の書き出しには反映されます。

具体的な流し込み手順 #
- スマホのマンガネーム作成ツールでネームを作成し、「セリフの書き出し」を実行。
- ダウンロードされたtxtファイルをPCやタブレットで開く(クラウド経由やメール等)。
- 中身のテキストを全コピー。
- クリスタのストーリーエディターを開き、1ページ目のテキストエリアに貼り付け。
- あとは、ドラッグ&ドロップで各セリフを正しいページへ振り分けるだけ。
【まとめ】ツールを組み合わせて創作時間を増やそう #
マンガ制作は、いかに「単純作業」を減らして「創作(絵や演出)」に時間を割けるかが鍵となります。
クリスタEXのストーリーエディターと、スマホで効率的にネームを作成できる「マンガネーム作成ツール」。この二つを組み合わせれば、これまで数時間かかっていた写植作業をわずか数分に短縮できるはずです。
「セリフ入力が面倒で筆が止まってしまう」「アナログでネームを作っていて、書いたセリフをデジタル化するのが二度手間になってしまう」という方は、ぜひこのワークフローを試してみてください。