オリジナルのマンガを描くにも、ストーリーをつくるのって大変です。キャラや舞台の設定、セリフや展開と、決めなければならないことがたくさん。そもそも何を題材にするかも決まらない、というのはよくあることです。
AIにストーリーを自動生成してもらうこともできます。しかし、AIに作らせた物語は自分の作品とは言えないですし、公募賞や商業マンガの現場では極めてシビアな問題です。
今回は、直感的に物語を組み立てられる無料のツール「マンガストーリー制作ツール(goron story)」を使って、すべてをAI任せにせず、自分だけの物語をつくっていく方法を紹介します。
「アイデア0」でも「なんとなく」でもスタートできる #
創作で最もエネルギーを使うのは「ゼロから言葉を生み出す瞬間」です。この最初の一歩を軽やかにするために、あらかじめジャンルや世界観の要素、キャラクターの性格・特徴などの創作でよく使われる「語群」が用意されています。
「何か面白い設定を考えなきゃ」と身構える必要はありません。キーワードを見ながら、「この要素を入れてみたいかも」「この要素の組み合わせはギャップがあって面白いな」と直感で選ぶだけで、頭の中にある曖昧なイメージが具体化されていきます。
名前が決まっていなくてもストーリーは進めていい #
セリフやシーンからいきなり書き始めたいとき、障害になるのが「主人公の名前が決まっていない」問題です。
本ツールには、仮の記号を名前代わりに使える「変数機能」が備わっています。セリフ内では名前を仮設定のまま書き進め、後から設定画面で「太郎」などの名称を確定すれば、セリフ内の該当箇所が一括で自動反映されます。
「設定が固まっていないから書けない」というストレスがなくなり、思いついた部分からどんどん形にすることが可能です。
視覚的な演出で、自分の頭の中の「妄想」を膨らませる #
文字情報だけのテキストエディタに向き合い続けると、イメージが湧きにくくなり執筆が滞りがちになります。そこを補うのが視覚的なフィードバックです。
- イメージカラーと髪型プリセット
キャラクター画像は、指定したイメージカラーと髪型プリセット画像の組み合わせで設定が可能。もちろん自分で描いた絵をアップロードすることもできます。画面上にキャラクターの姿が立ち上がることで、「自分のキャラ」としての愛着が一気に湧き上がり、よく聞く「キャラが勝手に動く」が実現しやすくなります。 - シーンカードとフキダシ表示
ストーリー画面には、場面の雰囲気を表す「シーンカード(カラー・画像)」や、フキダシ・キャラ画像が表示されます。
視覚的に「誰が・どんな場面で話しているか」が画面上で捉えられるため、「この見た目と状況なら、次はこんなセリフを言いそうだ」と、自分自身の頭の中でアイデアが自然と連鎖していきます。
カード形式の直感操作で、手札を並べるように展開を組む #
ストーリーの構成を考える際、頭の中だけで全体像をコントロールするのは容易ではありません。
このツールでは、作成したセリフや場面がひとつひとつ「カード形式」で管理されます。
- 直感的な並べ替え
順番の入れ替えや、間に新しいセリフを挟み込む作業がドラッグやタップだけで完結します。 - パズル感覚での試行錯誤
「このセリフは後に回した方が効果的かも」「ここにワンシーン挟もう」といった展開の調整が、文章を切り貼りする手間なく行えます。
最初から完璧なプロットを組む必要はありません。思いついたピースを書き出し、カードとして並べ替えながら、パズルを組み上げる感覚で物語の骨組みを作っていくことができます。
行き詰まったときだけ「インスピレーション」のヒントをもらう #
基本的には自分の力で書き進めたいものの、どうしても次の展開やセリフが出てこないということもありますよね。
そうした局面のために、「創作のヒントをくれるアシスト機能」も備わっています。
- シーンの流れやキャラクターの口癖・性格に合わせたセリフ案を3つ提示
- アイデアの切り口になる創作語群の表示
AIにストーリーの主導権を渡して勝手に書き進めさせるのではなく、あくまで「インスピレーションの補給」として参考にしたり、出てきたアイデアに自分の言葉を足したりして活用できます。詰まりやすいポイントだけをアシストで乗り越え、自分の主導権を保ったまま執筆を継続できます。
「自分が作った」という手応え #
物語を作る喜びの本質は、自分自身の頭の中にある世界やキャラクターを、自分の手で形にしていく過程にあります。
- 白紙のプレッシャーは語群で解消する
- 設定の未定部分は変数で保留にして進める
- 展開はカードで柔軟に組み替える
- 視覚的な演出でイメージを膨らませる
- どうしても詰まった時だけヒントをもらう
創作のストッパーになりやすい「作業のストレス」だけをツールで削ぎ落とし、ぜひ新しい物語をつくってみてください。